断熱性能

断熱性能

空気は最大の断熱材

セルロースファイバーは天然の木質繊維です。木の繊維は、たくさんの空気を内包しています。
空気は最大の断熱材(※)で、これが、セルロースファイバーの断熱性能を生み出しています。
※対流しない8mmの空気層は、コンクリート55cmと同じ断熱性能を持っています。

木(パルプ)の機能

木に繊維はその1本1本がパイプ状の中空になっています。もとは水で満たされていましたが(導管)、乾燥すると中空になり、たくさんの空気を閉じ込めます。木全体が無数のパイプからなる1本のパイプといってもいいでしょう。
また、パイプの外側を囲む細胞は空箱の積み重ねのようになっており、その中にもたくさんの空気が閉じ込められています。
空気には熱を伝えにくい性質(断熱機能)があるので、木の繊維という空気のパイプは理想的な断熱材となり、様々に利用されています。

断熱と熱伝導率

住宅の外皮で内外の熱移動を制御するのが断熱材です。
断熱材とは、外気温の影響を和らげ、屋内の温度を一定に保つ部材です。このように断熱材は、夏に外からの侵入する熱を抑え、冬に室内の熱が外に逃げないようにします。
断熱材は空気を閉じ込め熱の移動を抑え、熱伝導率が0.06W/(m・k)以下の建材をいいます。
熱伝導率とは、熱の伝えやすさを表した値で、物質の両面に一度の温度差があるとき、1㎡当たり1時間にどれだけの熱量が伝わるかを数値化したのが、熱伝導率です。熱伝導率の値が大きいと移動する熱量が大きいことであり、熱が伝わりやすいことになります。

断熱の必要性

断熱の目的は、少ないエネルギー消費量で体感温度を室温に近づけ熱損失を小さくすることです。
人間の体感温度は床、壁、天井、開口部(放射)と対流(隙間風など)に影響されます。基準レベルの断熱化でトイレ、玄関などの自然室温を10℃以上に維持する事が可能です。
ヒートショックなど体にかかる熱的ストレス低減に有効であり、冬季災害時にエネルギーインフラが停止しても、ある程度の室温が保たれて暮らしの安全にも大きく貢献することができます。
冬期、暖房設備を20℃に設定しても断熱が不十分だと壁などの表面温度がおよそ12℃となり、体感温度は16℃程度になります。体感温度を20℃に保つためには暖房設備を26℃の設定が必要となり、その分、暖房エネルギーが増加することになります。
夏期、屋根面の日射で天井の表面温度を上昇させ、二階の居室など放射環境の悪化で体感温度を上げ、夜の寝苦しさで冷房エネルギーが増加します。隙間無く丁寧な施工で夏に日射の侵入を抑え、冬に暖められた熱の逃げを抑えます。